Hanes fik

スウェーデン語の語源やら、読書のことやら、あれこれと。

読書感想

【読書感想】ハンス・ロスリング自伝ーその3

1979年10月、ハンス・ロスリング医師はモザンビークの町ナカラの病院に赴任した。助産師の妻とふたりの子どもも一緒に。手元にある資料から逆算すると、当時ロスリングは31歳、息子のオーラは4歳。お姉さんのアンナは6歳くらいか? こんなに幼い子どもたちを…

【読書感想】ふたりの姉妹ー少女たちはなぜシリアに向かったのか(1)

原題:To søstre(ノルウェー語) 直訳:ふたりの姉妹 著者:Åsne Seierstad(オースネ・セイエスタ) 出版年:2016年 ページ数:470 著者は、2002年『カブールの本屋』が世界的ベストセラーになったノルウェーの女性ジャーナリスト Åsne Seierstad。 2013年…

【読書感想】ハンス・ロスリング自伝ーその2

Gapminder のサイトのトップに掲載されているビデオにも「動く統計」誕生の経過が語られている。 youtu.be 頭の固い学生たちに理解させるためにロスリング教授はグラフを作った。 上記ビデオより 1998年9月、息子夫婦が実家を訪れ、食卓を囲んだ。 彼らは23…

【読書感想】ハンス・ロスリング自伝ーその1

原題:Hur jag lärde mig förstå världen 直訳:私はどうやって世界を理解してきたか 著者:Hans Rosling & Fanny Härgestam 出版年:2017年11月 ページ数:332 世界的ベストセラーになった『Factfulness』は日本でも来年1月に刊行される予定だ。https://www…

【読書感想】少女と負い目2~同情できない女たち~

Katarina Wennstam 著『Flickan och skulden』についての昨日の記事への補足事項。本書の問題提起は何点もある。 前回も述べたが、当時(2002年)刑法上、被害者が事件当時「無力状態」であれば、罪名が「レイプ」ではなく「性的搾取」となった。著者による…

【読書感想】少女と負い目1:レイプを見る社会の視線

原題:Flickan och skulden: En bok om samhällets syn på våldtäkt 直訳:少女と負い目:レイプを見る社会の視線 著者:Katarina Wennstam(カタリーナ・ヴェンスタム) 出版年:2002年(改訂版2012年) ページ数:286 2002年に発表されたこの本はスウェー…